鞠棚小説祭

◆02年11月04日→11月21日◆ReviewはLoveyouだ!

 これまで鈴々堂氏から岩舘野良猫氏まで6人のWEB小説作者を紹介してきましたが、これは「鞠棚小説祭」というイヴェントに同伴したものです。そして、これから紹介する10作品も「鞠棚小説祭」から指定された作品です。
「小説は、会いたい時にいつでも会える、先生であり、友人であり、恋人である」と考えるボクにとって、どの作品と付き合うか、他人から指定されると苦痛なのです。中学・高校の国語の授業でも「読書感想文指定図書」なんかシカトしてたし。
 しかし
「鞠棚小説祭」にも、小説の読み書きを心得た人も参加してるし、指定された作品の中に、既に面識のある物が含まれています。というわけで今月は、このイヴェントを支援します。

 ここで一つだけボクは、WEB文学の賞やイヴェントの主催者に提言があります。小説・詩・句歌・エッセイだけでなく、評論や批評文の書き手を育成してはどうか。
 話をわかりやすくするためまた喩え話をしますが、野球に喩えると作家は投手、批評家は打者のようなもの。そして文芸誌などの編集者、WEBサイトの管理人は、捕手のようなものと考えられます。自分の作品を自分のHPにアップロードする作業は、一人で投手と捕手をやるようなものですね。どうりで忙しいと思った。
 アマチュア野球では、主軸投手が4番打者というケースが少なくない。それと同じくWEB文学はレヴェルが低いので、優れた作品の書き手が優れた読者(批評家)でもあるわけです。
「クリティカル・ヒット」という言葉がありますが、クリティーク(批評)にもヒットだけでなく、ファウル、フライ、グラウンダー(ゴロ)など、打ち損じ(読み損じ)があるはずです。WEB文学の賞やイヴェントで書かれる感想文や評文を読むと、読者側の読解に疑問を感じる文章もあります。もちろんテキストは多様な読み方が許されるけど、作品の価値を恣意的に貶めたり、逆に不必要に持ち上げたりする評文は、信憑性が疑われます。
 つまり、作品の書き方が、方法(メソッド)なり規範(ディシプリン)なりをクリアした上で自由であるように、批評文の書き方にも、メソッドやディシプリンが必要だと思うのです。
 すぐには無理だと思いますが、投手が打撃を気にせず投球に専念できるくらい、WEB文学もレヴェル・アップするといい。そのため、打撃の神様みたいな評論家に出現して欲しい。

 これから1カ月間、ボクは10作品と真剣勝負の対決をします。打者が投手を攻略するように、作品を攻略します。それぞれの対決がアウトかセーフか、ボクでも作者でもなく、作品とこの評文を読んだ人が判断して下さい。もちろん10割打てるわけないけど、ボク自身は10割を狙います。
 だいたい「作者が何を考えてその作品を書いたか?」なんて、その作品を読んだだけではわからないのだ。作者の自己評価と読者の評価にギャップがあるのは止むを得ない。小説を書いている者は、自分の文学観の範疇で、他人の作品について論じるのです。だから本当は「小説を書かない評論家」にやってもらいたいんですよ、批評は。
 勝負が終わったあと、各作品の作者と、健闘を称え合えるようになればいいです。
 レヴュー(review)はラヴュー(love you)だ、こんちきしょう。

 で、★の数で採点するんですが、ボクは他人の作品を読むとき○△×の3段階評価なのです。中途半端は面倒くさいし、見る人もわかりにくいでしょ? というわけで、★5つは○、★3つは△、★1つは×、とご理解ください。
 念のためお断りしておきますが、ほかのレヴュアがどんなこと書いてるか、ボクは全作品のレヴューを書き上げるまで読みません。重なったり、全く食い違ったりすることもあるでしょうから、その辺もお楽しみください。
 また、今回取り上げる10作品は、
月刊Web文芸総合誌「文華」赤川仁洋氏がセレクトされました。赤川氏の編集センス・鑑識眼も併せてご判断ください。

◆ラインナップ◆
チーム文華
1番セカンド 夢虫 みねふじお ★★★
2番レフト 人形と私 折笠由利子 ★★★
3番センター なにか大切な、なくしたもの 岩舘野良猫 ★★★★★
4番ファースト 祈り 新月 ★★★
5番ライト ヒトデナシノ恋 周(Amane.K)
6番キャッチャー 逡巡 Zamza ★★★★★
7番ショート オグロアラダ 多田秀介 ★★★
8番サード 不幸な男 れお
9番ピッチャー プレゼント ナイトクローラー ★★★
監督 子連れ狼 亜木冬彦 ★★★★★
チーム鞠棚(レヴュア)
鈴々堂 鞠棚小説祭主催    
ルミ 続・ルミ姉さんと一緒    
ミノルタ ふたりごっつ2    
火鳥冬星 冬星書生気質